ガラスはケイ酸化合物です。天然に存在するものとして黒曜石などがあります。火山活動で噴出した溶岩がガラス状に固まったものです。石器時代からその鋭利さのために矢じりや包丁として利用されていました。人工的にガラスが製造されはじめたのは紀元前4000年頃でメソポタミアやエジプトなどで出土品がみられます。紀元前1550年ころになると植物の灰と珪石を熱して溶かし、型に流し込んで器を作る技法が確立しました。これが古代ガラスです。中世のガラスはヴェネチアで技術が開花し数世紀にわたって精巧なガラス製品がつくられました。15世紀には透明度の高いクリスタルガラスも作られるようになりました。その製造には大変な労力と作業を必要としたので歴史的に主に器やステンドグラスが製造されていました。しかし、現在では製造法は飛躍的に進化し、温室効果ガスの削減に寄与する製造法も開発されています。種類も多岐にわたります。又用途も芸術品だけではなく、耐熱性のある食器や調理器具、遊びの道具であるビー玉やおはじき、車の防弾用、窓用の建築資材、光通信の光ファイバー、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイやハードディスクドライブなどの電子機器といった具合に幅広い分野でなくてはならないものとなっています。